東洋医学の基本『陰陽』について
1枚のコインに表と裏があるように、物事には2つの側面があると考える哲学を『陰陽』といいます。
gemでは、この陰陽をはじめとした東洋医学の基本に基づいてみなさまのお身体のケアにあたり、美容鍼灸などのメニューをご提供しています。
今回はこの「陰陽ってなんだろう?」という東洋医学の基本についてお話をしていきます。
漢字の成り立ちから陰陽論を知る
私は個人的に東洋医学の用語を勉強するとき、まずその漢字の成り立ちや漢字1字の意味から調べることがよくあります。
東洋医学は、もとは中国で2000年以上の歴史がある医学なので耳慣れない言葉やはじめは読めない漢字も多くあります。
学生時代はテストに向けて丸暗記なんてこともありましたが、漢字の成り立ちや1字の意味を改めて調べると頭の中で想像しやすくなるので、もし東洋医学に興味があって、でもイメージしずらいなぁなんてことがあったら漢字を調べてみることをおすすめします。
では、まず今回は陰と陽という漢字をみていきたいと思います。
さっそく少し脱線しますが、 お引越しをするとき、みなさんはなにを重視しますか?
日の光が入らないジメジメとしたお部屋は嫌ですよね。
陰と陽、この2つの漢字にはこの日当たりが大いに関係しています。
陰=丘+日+云=日の当たらない丘の側面
陽=丘+日+勿=光が下に放射する
つまり、陰は影になり日の当たらない暗い場所、陽は日の光が十分に当たっている場所を指しています。
でも、午前中日当たりが悪かったとしても、午後には太陽の位置も変わり日の当たり方も影の位置も動きますよね。
東洋医学の発展したアジア圏では白夜のようなものはありません。
季節によって日が出ている長さは違いますが、基本的には昼と夜が1日24時間の中で一定のサイクルで存在しています。
朝、日が出て、昼間に太陽が一番高いところに昇ります。そして夕方にかけ日が傾き、太陽は沈み夜が訪れます。
このように1日という単位の中で夜と昼という陰陽は絶えず変化をして、なにか一つの状態で止まることはありません。
また、これを1年という単位に置き換えると夏至と冬至がそれぞれ1年で一番日中と夜が長い日で、この日を境に絶えず流動的に季節が移ろいでいきます。
このように1日や1年といった単位も、また自然界に存在するものなど世の中のものはすべて陰陽という2つに分類することができます。
陰 | 下 | 内 | 夜 | 寒 | 暗 | 女 | 静 | 慢 |
陽 | 上 | 外 | 昼 | 熱 | 明 | 男 | 騒 | 急 |
1度は目にしたことのある太極図の意味
しかし、完全に2つに綺麗に分けることが出来るわけではありません。
東洋医学には「陰極まれば陽となる」「陽極まれば陰となる」という言葉がありますが、陽は行きつくと陰に、陰は行きつくと陽になります。
この変化の様子をあらわしたものが、陰陽太極図といって勾玉が2つ書いてあるこの図。
黒が陰、白が陽を現し、それぞれ真ん中に丸があります。
これは、陰の中にも陽の側面があり、陽の中にも陰の側面があり、一定の頂点まで行きつくと転化するということを意味しています。
友人と話してて、楽しすぎて笑いすぎるとなぜか涙がでてくることってたまにありますよね。
逆に、心の底から悲しい気持ちになったり残念な気持ちになったとき、もう笑うしかないなという気持ちから乾いた笑いが出たり。
真逆の感情からくる生理的な反応ですが、思わぬところで私たちのからだでも陰陽のどちらかの頂点に行きつくとその逆の陰陽に転化し、流動的に動いている状態なんだと体感することができます。
そして、その状態は常に偏ることなく、相対的にバランスを取りながら変化し続けています。
陰は、暗くて静かでゆっくりとした性質。
陽は、明るくてうるさくて急いでいる性質。
なんとなく陽の方が良いイメージですが、いつも外がうるさくて、熱くて、陽が当たりすぎるお部屋じゃ落ち着かないですよね。
反対に暗すぎて寒くジメジメとしたお部屋もイヤですね。
かといって、冷房や暖房のどちらかをガンガンつけ続けるわけにもいきません。
それは、身体も一緒。
暑すぎても、寒すぎても体調は崩してしまいます。
陰陽に100%や絶対はありません。
お部屋選びも、身体も、なにかに偏ることなく、『中庸』といってバランスよくすることが大切です。
gem鍼灸サロンでは、お客様のおからだの状態が今どのような状態なのか、陰陽のお話なども含め丁寧にお伺いしながらカウンセリングを行っております。
カウンセリングだけでも無料でご予約を承っておりますので、からだを中庸にするためにはどうすれば良いのか?陰陽のバランスを整えるためにはどうすればよいのか?お気軽にお問い合わせくださいませ。
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